増殖炉

原子炉の燃料となるウラン235は天然ウラン中にわずか0.7%しか含まれておらず、その量には限度があります。そこで原子炉の設計を適当に行なうことによってエネルギーを得ると同じにウラン238、トリウムなど核分裂を起さない元素を核分裂性の原子核に変化させることができ、全体としてウラン235の消費量以上に新しい核分裂性物質を生産することができます。これが増殖で増殖できる原子炉を増殖炉と言います。炉心の中心部には濃縮ウランやプルトニウムを置き、連鎖反応を起させ同時に増殖に必要な中性子を発生させます。炉心の外部には天然ウラン、減損ウランを置き、中性子によって増殖させます。熱発生率が大きいために、冷却材には液体ナトリウム、ヘリウムガス、水蒸気などの使用が考えられています。増殖炉が実用化すると、軽水炉で1から2%しか利用できなかった天然ウランが約80%まで利用できます。
高速増殖炉とは増殖炉の一種で、増殖炉の仕組みは、炉心から出る中性子を使い、その周囲の外包部ブランケットに置いた非核分裂性のウラン238、トリウム232をそれぞれ核分裂性のプルトニウム239、ウラン233に変化させるようになっています。この場合ブランケットにウラン238を入れ、炉心の高速中性子によってプルトニウム239を作るものを、高速増殖炉と言います。ブランケットにトリウム232を入れ、熱中性子によってウラン233を作るものを、熱中性子増殖炉と言います。

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