原子爆弾

原子核反応では普通の化学変化とはケタ連いの多量のエネルギ−が放出されます。原子爆弾はこの大きなエネルギーを生みだす核分裂の連鎖反応を瞬時に行わせ爆発力とする兵器で、原爆とも言います。材料には、プルトニウム239が、ウラン235などが使われます。アメリカで1945年7月初めて完成。広島にはウラン爆弾、長崎にはプルトニウム爆弾が落とされ、極めて多数の死傷者が出ました。
水素爆弾は核融合反応を利用した爆弾で、質量が小さく軽い水素の原子核同士を結合させる際に生じる強大なエネルギーを利用したもので水爆という方が普通。核融合を起すためには超高温が必要で、それを原子爆弾によって得ています。この起爆剤となる原爆のまわりを重水素化リチウムなど熱核材料で包み、中の原爆が爆発するとその数100万度の高熱と発生した中性子によって熱核林料が核融合を起し、膨大なエネルギーを放出します。熱核材料はどれほど厚くてもよいために、その威力は原爆の100倍、1000倍とはるかに大きなものになります。
1952年、アメリカが大平洋エニウエトク環礁で、最初の核爆発実験に成功した水素爆弾は、引金の原子爆弾で生じた高温で、重水素、三重水素トリチウム混合物に反応を生じさせ、その際発生する超高温で液状重水素に熱核反応を起させました。これを湿式水爆と言います。これに対して湿式水燥よりも着火温度を低くするために、水素化リチウムを用いたものがソ連の乾式水爆です。小型も可能です。その後の核兵器開発の進歩で、水爆の威力を増強させるため、外周をウラン238で包んだ超ウラン水爆が出現し、さらに放射能効果を大きくするため外局をコバルトで包むコバルト壊弾の開発が研究されていました。
中性子爆弾は水素爆弾をさらに前進させ、核融合エネルギーを中性子の形で放出する爆弾。中性子は、陽子とともにあらゆる元素の原子核を形づくっている粒子で、強い中性子線は、ビルでも鉄でも通過し、人体を貫き、殺人光線のように殺傷します。米原子力委員会は1967年、アメリカが中性子爆弾の開発を進めている事を明らかにしました。

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